リスクアセスメントの重要性
研究施設におけるリスクアセスメントは、安全な作業環境を確保し、労働災害を未然に防ぐために欠かせないプロセスです。特に、作業内容が高度化・複雑化する現代の研究施設では、法令遵守だけでは不十分な場合が多いと言えます。そのため、それぞれの作業現場に潜むリスクを特定し、適切な予防措置を講じる必要があります。
今回は、有害ガスが発生する研究施設で必須とされるドラフトチャンバーに焦点を当て、その役割と現状、そして抱える課題を掘り下げ、ドラフトチャンバーの限界を補う対策について解説していきます。
ドラフトチャンバーの現状と課題
ドラフトチャンバーは、有害物質を取り扱う作業現場において、労働者の安全を守るために必要不可欠な設備です。有害ガスや蒸気を効果的に排出し、安全な作業環境を確保する役割を担っています。しかし、作業現場の複雑化やドラフトチャンバーの局所排気という特性上、その能力だけではカバーしきれないリスクも存在します。
例えば、研究施設などでは作業内容が複雑化し、ドラフトチャンバーだけでは対応できないケースも出てきます。また、ドラフトチャンバーの吸引範囲外に有害物質が滞留し、労働者に影響を与える可能性も懸念されます。
これらの課題を解決し、労働者の安全を確保するためには、ドラフトチャンバーと併用できる補完的な装置の導入が不可欠です。現場の状況に合わせて適切な装置を選び、より安全な作業環境を構築していく必要があります。
リスクアセスメントの導入と実施手順
研究施設のリスクアセスメントの基本手順
リスクアセスメントは、職場の安全を確保するために不可欠なプロセスです。
研究施設におけるリスクアセスメントの基本手順は、以下のステップで実施されます。
- 危険性や有害性の特定
作業場にある危険な物や状況、有害な化学物質などを特定します。 - リスクの見積もり
特定された危険性や有害性が、どの程度の確率で、どの程度の重大な結果をもたらすかを評価します。 - 低減措置の検討と実施
リスクを低減または除去するための対策を検討し、優先順位をつけて実施します。 - 結果の記録
リスクアセスメントの結果、実施した対策、そしてその効果を記録します。
このプロセスを通じて、職場における安全性を向上させ、事故や健康被害を未然に防ぐことができます。
有害ガス対策におけるリスクアセスメントの重要性
有害ガスを取り扱う研究施設では、リスクアセスメントが特に重要となります。ドラフトチャンバーを設置していても、有害ガスを完全に排除できるわけではありません。排気能力の限界や設置場所の制約などにより、特定の場所にガスが滞留する可能性があるからです。これらのリスクを正確に評価し、適切な対策を講じる必要があります。
そこで、有害ガスの残存リスクに対処するための新たな解決策として、TOGAの有害ガス浄化装置が注目されています。この装置がリスクアセスメントにどのように組み込まれるのか、詳しく見ていきましょう。
新たな解決策|TOGA有害ガス浄化装置
TOGA装置の特徴
TOGAの有害ガス浄化装置は、ドラフトチャンバーの限界を補完する新しい技術です。この装置はダクト工事が不要であり、設置場所に制約がなく、研究施設のどこにでも設置できる柔軟性を持っています。また、省エネルギー設計により、長期的な運用コストを削減することができます。
ドラフトチャンバーのデメリットを補う機能
ドラフトチャンバーが対応しきれない場所や、排気能力が不足している環境でも、TOGAの浄化装置は効果を発揮します。局所的な排気だけでなく、施設全体に浄化効果をもたらし、作業者がどこにいても安全な環境を維持します。
実際の導入事例
文化財修復現場の事例
国宝級の文化財修復プロジェクトにおいて、全長2.85メートルにも及ぶ1600年前の剣の修復作業が行われました。この作業では、アセトンや酢酸エチルなどの有機溶剤が使用されましたが、通常のドラフトチャンバーに収めることができないため、有害ガスの除去が大きな課題となりました。
そこで、TOGAの有害ガス浄化装置を作業者のすぐ近くに設置することで、発生する有害ガスを効率的に除去し、安全な作業環境を確保することに成功しました。貴重な文化財の修復という重要な作業を、安全に進めることができました。
お客様からのコメント
遺物の修復室で移動型のTOGA-MO1Dを使用しております。
導入前はドラフト等を使用してはいたものの、金属遺物の修復に使用する薬剤の揮発物に困っていました。
導入してからは、作業の手元付近で使用したり、ドラフトと併用して空間全体のガス浄化に使用しています。
全体に広がっていたにおいが落ち着いたため、安全性が増したことを実感でき、導入して本当によかったと感じています。
奈良県橿原考古学研究所
保存科学研究室の皆様
まとめ|TOGAで安全な研究環境を
ドラフトチャンバーではカバーしきれないリスクを解消し、研究施設や特殊な作業環境における安全性をさらに高めるために、TOGA有害ガス浄化装置の導入は、リスクアセスメントの一環として非常に有効です。
作業環境の安全性と効率性を向上させるだけでなく、文化財修復現場での導入実績やお客様からの高い評価も、TOGA製品の信頼性を裏付けています。安全性を最優先に考える施設にとって、TOGAはぜひ検討すべき選択肢と言えるでしょう。
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