2024年4月に施行された労働安全衛生法の改正は、化学物質管理を大きく変える内容です。多くの事業者に影響が及ぶと予想されるこの改正は、なぜ必要だったのでしょうか?
その背景には、現代社会で使われる化学物質の種類の多さと、その中には危険性や有害性がまだはっきりと分かっていないものも多数含まれているという現実があります。化学物質が原因の労働災害は年間約450件発生しており、中にはがんのような後になってから症状が出る病気も含まれています。このような状況を改善するため、より厳しい規制が必要となりました。
今回の改正では、国際的な基準であるGHSに基づいて、危険性や有害性が確認されている物質に加え、発がん性や急性毒性を持つ物質も新たにリスクアセスメントの対象となりました。これにより、事業者はリスクアセスメントを実施し、労働者が化学物質にさらされるリスクを減らすための具体的な対策を講じる義務が課せられることになります。
では、事業者は具体的にどのような義務を負うのでしょうか? 詳しく見ていきましょう。
リスクアセスメント対象物に対する事業者の義務とは?
改正された労働安全衛生法の下、事業者はリスクアセスメント対象物に対して、様々な義務を果たさなければなりません。具体的には、労働者が危険・有害な化学物質にさらされるリスクを評価し、その結果に基づいて適切な対策を講じることが求められます。
まず、事業者は可能な限り、危険な化学物質の代わりに安全な代替物質を使用することを検討しなければなりません。それが難しい場合は、化学物質が漏れないように密閉できる設備や、局所排気装置、全体換気装置などを導入して、作業環境を改善する必要があります。さらに、作業者には有効な呼吸用保護具を着用させることも重要です。これらの対策によって、労働者が有害物質にさらされる量を最小限に抑えることが求められます。
また、労働者が化学物質にさらされる状況については、定期的に記録を作成し、保管することも義務付けられています。これは、リスクアセスメントの結果と対策が適切に機能しているかを継続的に確認するためです。特に発がん性物質については、記録を30年間保存することが法律で定められており、厳格な管理が求められます。
このように、事業者にはリスクアセスメント対象物に対する徹底した管理体制を構築し、労働者の健康リスクを最小限に抑えるための具体的な対策が義務付けられています。
では、これらの新たな義務をどのようにクリアすればよいのでしょうか?
【対応策】新たな義務をクリアするために
新たに定められたリスクアセスメント対象物に関する義務を果たすためには、事業者は様々な対策を実施する必要があります。
まず、労働者の化学物質への曝露を最小限に抑えるためには、設備の改善や作業環境の見直しが重要です。具体的には、局所排気装置や全体換気装置を導入し、化学物質の発生源を効果的に密閉することが求められます。また、作業方法自体を見直すこともリスク低減に繋がります。
さらに、保護具の着用も欠かせません。有効な呼吸用保護具を労働者に適切に着用してもらうことで、危険な化学物質から身を守ることができます。作業者が保護具を正しく使用しているかどうかの確認も、法令遵守のために重要なプロセスです。
これらの対策に加えて、曝露状況の記録と保管も必須です。記録は少なくとも3年間、発がん性物質の場合は30年間保存しなければなりません。労働者の意見を聴取し、対策が十分に機能しているかを継続的に確認することも大切です。
事業者がこのような多角的なアプローチを取ることで、リスクアセスメント対象物に関する新たな義務を効果的にクリアし、労働者の安全と健康を守ることができます。
それでは、具体的な対策の一つとして、有害ガス浄化装置の活用について詳しく見ていきましょう。
有害ガス浄化装置(移動型)の活用
リスクアセスメント義務への対応が求められる中、研究施設や事業所では有害ガスの浄化対策がますます重要になっています。
そこで注目されるのが、有害ガス浄化装置(移動型)です。
この装置は、様々な有害ガスに対応できる高性能フィルターを搭載し、作業現場でスポットで有害ガスの除去が可能です。
「物理吸着」に加え、「化学反応」と「中和反応」を組み合わせることで、幅広い有害ガスを効率的に除去できるので法改正で追加されたリスクアセスメント対象物質の多くに効果を発揮できます。
この製品の大きな特徴は、キャスターでどこにでも移動が可能でコンセントに繋ぐだけで使用できる点です。設置場所を選ばず、研究施設や作業現場の様々な場所で柔軟に使用ができます。
従来のドラフトチャンバーや全体換気装置を補完する装置として、特にスペースに限りがある施設では大きな効果を発揮します。
また、化学物質による労働者の曝露リスクを大幅に低減するための補完的なツールとしても最適です。リスクアセスメントで必要とされる対策の一つとして、局所排気装置の役割を担い、作業者が有害物質に直接触れることを防ぎます。
さらに、メンテナンスも簡単で、フィルターの寿命は約1年と長持ちで長期間にわたって安定した浄化性能を発揮できます。
このようなどこでも使用が可能な有害ガス浄化装置を導入することで、事業者はリスクアセスメント義務を満たしつつ、労働者の安全を確保し、効率的な作業環境を整えることができます。
リスク低減と安全な作業環境の確立へ
今回の労働安全衛生法の改正により、事業者は化学物質に関するリスクアセスメントの実施と、曝露低減のための具体的な対策がこれまで以上に求められるようになりました。
リスクを低減し、安全な作業環境を確保することは、労働者の健康を守るだけでなく、事業全体の効率と信頼性を高めることにも繋がります。
有害ガス浄化装置のような設備を活用することで、コンパクトな設計による柔軟な設置と、様々な有害ガスに対応したフィルター機能による強力な曝露対策を実現できます。
これにより、リスクアセスメント義務を確実に履行し、施設全体の安全性を向上させることができます。
今後、事業者は最新の法規制に対応しながら、継続的にリスク低減のための対策を見直し、労働者にとって安全で快適な作業環境を維持していく必要があります。
このような取り組みは、法令遵守だけでなく、職場全体の安心感と生産性向上にも繋がるでしょう。
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