研究室や実験施設では、日々様々な実験や分析が行われています。その過程で塩酸、硫酸、酢酸などの酸性ガスが発生することも少なくありません。

本来、これらの酸性ガスはドラフトチャンバーによって除去されるものですが、研究室によってはドラフトチャンバーの容量の問題や作業環境などの要因によって、適切にダクトで排気できていない現状があるのも事実です。

酸性ガスがドラフトチャンバーによって適切に除去されていない場合、研究室に漏れ出た酸性ガスにより以下のようなトラブルを引き起こすリスクがあります。

  • 作業者の慢性的な健康被害
    長期間、低濃度の酸性ガスにさらされることで、呼吸器や循環器に悪影響を及ぼし、喘息、心疾患などのリスクが高まります。
  • エアコンなどの空調機器の腐食による故障
    酸性ガスは、空調機器の金属部品を腐食させ、故障の原因となります。これにより、空調が効かなくなり、室温が上昇したり、湿度が高くなったりして、作業環境が悪化します。
  • 流し台や実験台が腐食によって錆びてしまう
    酸性ガスは、金属製の流し台や作業台を腐食させ、錆びの原因となります。錆びた設備は見た目が悪くなるだけでなく、衛生面でも問題があります。
  • 実験器具や試薬の劣化
    酸性ガスは、実験器具や試薬を劣化させる可能性があります。これにより、実験結果の精度が低下したり、実験が失敗したりするリスクが高まります。

研究施設での一般的な酸性ガス対策

研究施設で酸性ガスが発生するケースでは、一般的に以下の対策が取られます。

  1. ドラフトチャンバーやヒュームフードの設置
  2. スクラバーの設置
  3. 活性炭フィルターなどの吸着装置の設置

これらの対策に共通するのは、ドラフトチャンバーが正常に機能し、酸性ガスを適切に捕集・排出することを前提としている点です。そのため、ドラフトチャンバーの排気能力が不足していたり、チャンバー内にガスが充満している場合は、これらの対策だけでは十分な効果が得られません。

そこで、新たな解決策として、ダクトレスのフィルターを使用した酸性ガスの中和・除去があります。この方法は、従来の対策では難しかった、ドラフトチャンバーの排気能力不足や設置スペースの制約といった課題を解決し、研究室内をより安全な作業環境にしてくれるものです。

ただし、これらのダクトレス構造の除去装置においても、その性能を左右するフィルターが酸性ガスを安定してしっかりと除去できることが前提となります。

従来のフィルターの限界とTOGAフィルター

従来のフィルターは、活性炭などの吸着剤を用いて酸性ガスを物理的に吸着するものが主流です。活性炭フィルターは酸性ガスの吸着能力に限界があり、高濃度の酸性ガスや長時間の使用には対応できないという課題がありました。

ケミカルフィルターと呼ばれる、酸性ガスを中和する薬剤を含浸させたフィルターも存在しますが、薬剤の種類や量によっては中和能力が不十分であったり、フィルター寿命が短かったりする場合があります。

一方、TOGAフィルターは、独自の技術により、物理吸着だけでなく中和反応も利用することで、酸性ガスを効率的に除去できる仕組みになっています。

これにより、従来のフィルターでは難しかった高濃度の酸性ガスや長時間の使用にも対応できるようになり、ドラフトチャンバーから漏れ出た酸性ガスを、その場で効率的に除去できるようになりました。

有害ガス浄化装置

TOGAの有害ガス浄化装置は、TOGAフィルターを搭載しているため、揮発性有機化合物(VOC)や塩酸、硫酸、酢酸などの酸性ガスなど、幅広い種類の有害ガスを除去できます。

研究や分析の現場で発生する様々なガスに対応できるため、1台で幅広い用途に活用でき、コストパフォーマンスにも優れています。

さらに、フィルター寿命は約1年と長持ちするので、ランニングコストを抑えることも可能です。

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